地方物件への投資

 数年前に、札幌の投資物件に人気が出た時期があります。なぜかというと、このエリアは、路線価価格が実勢価格よりも高かったため、ローンが非常に借りやすかったからです。首都圏では見つからない金融機関の評価額が高い物件を追い求めて、土地勘のない地方物件への投資を加速させていました。もちろん物件を勧める不動産会社も一緒になって札幌物件への投資を勧めていました。不動産投資会社の間では、「札幌は供給過剰で不動産市場が壊れてしまっているから手が出せない。」と言われている時期にもかかわらず。

最近では、地方物件を狙った投資を勧める不動産投資本もありますが、我々の目からすると、こちらもババ抜きゲームをしているようにも見えます。

地方物件の売却物件を見ていると、所有期間が5年から6年程度のケースが多く、場合によっては2年から3年で売りに出しているものも見られます。実情は、数年前に利回りの高さに惹かれて購入したものの、管理・修繕コストの高さに気づいて撤退する方が多いようです。最近はやりの地方物件投資本も、少しうがった見方をすれば、数年前に地方物件を購入した投資家が、売り逃げして利益を確定させるために書いているのではないかと思ってしまいます。

念のため書いておきますが、地方物件への投資のリスクは、稼働率が劣るという点は当然のこととして、管理の目が届かないだとか、土地勘がないという以上に、一戸の貸出賃料が低いということが、もっとも大きなリスクになります。

貸出賃料が安いといことは、退去して空室が生じた場合のリフォーム費用負担や、建物全体の修繕費用の収入に対する割合が大きくなります。都内であれば賃料の1カ月分で済むところを、賃料の3カ月分が必要になったり、建物修繕費用を捻出するのに、賃料1年分が3年分になってしまったりと、表面上の利回りほどには収益が出ないため、撤退する人が多いのです。

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